みんなのコンサートメモ
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コンサートについて
躍動感と喧噪、平穏と静寂、内省と激情が、それぞれに描かれた多彩な3作品をお届けする。しかし同時に、音楽史的・文化的に隣り合い、接点を待つこれら楽曲はどこか似た世界観を纏っている。動と静、外界と内面、目の前にある日常と想い出の中の過去へと行き来しつつ進むプログラム構成により、3章立ての1つの物語として不思議な説得力を持った演奏会となるだろう。
プログラム前半は「フランス6人組」のダリウス・ミヨー(1892 – 1974)とアルテュール・オネゲル(1892 – 1955)による楽曲を演奏する。普段演奏される機会の少ない両曲は、共に1920年頃の作曲である。当時の西洋音楽はワーグナー以来加速した調性の拡大と崩壊が極限に達し、シェーンベルクらによる十二音音楽が確立された時期であった。それは本能的な感性による調和の世界を否定し、理性による調和に目を向けていく過渡期と言える。
プログラム後半はロマン派の集大成とも言うべきチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」をお送りする。125年前の10月28日(グレゴリオ暦)、交響曲第6番の初演を迎えた後まもなくしてチャイコフスキーは急逝した。その死因が解明に至っていないため、本作が彼の“辞世の句”であり彼は自殺したのだ、とする言説もよく見られるが真偽のほどは誰にもわからない。楽曲の暗澹たる雰囲気と謎めいた死にも後押しされ、その副題 “Pathétique” 、邦題で『悲愴』は人口に膾炙した。この語はチャイコフスキー自身が書簡等で用いた表記に倣っていて、フランス語で「悲しい、痛ましい、同情を誘うような、哀れな」というニュアンスを持つ。一方、自筆スコアにはロシア語でпатетическаяと書かれており、こちらは「情熱的な」というニュアンスである。すなわち、チャイコフスキー自身がこの曲に与えたかったイメージは「人間の持つありとあらゆる激しい感情の揺れ」ではないだろうか。その中には悲しさだけでなく、憤怒や歓喜、そして恋慕の想いも当然に包含されていたはずである。本公演では曲を巡る風聞からの先入観に左右されすぎず、作曲者の手による音楽的情報を第一に尊重して演奏を行う予定だ。
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