アンサンブル ディマンシュ 第92回演奏会
~イギリスにまつわる音楽~
2023年02月12日(日) 14:00 開演
指揮者: 平川範幸
フェリックス・メンデルスゾーン
序曲「フィンガルの洞窟」
/
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
交響曲第93番ニ長調
/
フェリックス・メンデルスゾーン
交響曲第3番イ短調「スコットランド」
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◆テーマは「イギリスにまつわる音楽」
今回の演奏会のテーマは「イギリスにまつわる音楽」です。と言っても、イギリス人作曲家の音楽ではありません。イギリスを訪問したことのある二人の外国人作曲家、メンデルスゾーンとハイドンのイギリスにまつわる作品を取り上げます。
イギリス訪問と一口に言っても、現在のように大陸から飛行機や鉄道で行ける時代ではありません。港まで馬車で何日も揺られ、船に乗り換えて行く旅は大変だったに違いありません。それにも関わらず、メンデルスゾーンは生涯にイギリスを10回訪問したと言われています。1829年、20歳のメンデルスゾーンは初めてイギリスを訪問していますが、この時にスコットランドを旅行しています。今回取り上げる序曲「フィンガルの洞窟」と交響曲第3番「スコットランド」は、このスコットランド旅行の印象を描いた作品です。どちらも帰国直後に着想されていますが、「フィンガルの洞窟」は1830年に完成、「スコットランド」はそれから12年も後の1842年に完成しています。この12年間に、交響曲では第5番「宗教改革」(1830)、第4番「イタリア」(1833)、第2番「讃歌」(1840)が先に完成し、「スコットランド」はメンデルスゾーンの最後の交響曲となってしまいました。
一方、ハイドンは、ザロモンの招きによって1791~95年に2回イギリスを訪問しています。ザロモンは、ロンドンに移住したドイツ出身のヴァイオリニストで、興行師としても活躍していました。交響曲第93番~第104番はこの2回の訪問時にロンドンで初演されているため「ロンドン交響曲」又は「ザロモン交響曲」と呼ばれています。このうち、1791~92年の第1回の訪問時にロンドンで作曲・初演された第93番~第98番は「第1期ロンドン交響曲」と呼ばれています。今回演奏する第93番は、1791年に作曲され1792年の2月にロンドンで初演されています。交響曲の番号順では第1期ロンドン交響曲の始めを飾る曲ですが、作曲順(初演順)では第96番、第95番の方が早く、実際は3番目の交響曲です。次の第94番は、第2楽章に突然一発の大音響が鳴り響くことから、「驚愕」という愛称で親しまれていますが、実は、この第93番にも同様にハイドン特有のユーモアのセンスが表れた部分があり、これは「驚愕」の前哨戦ではないかと思われます。
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