歌：ルドン絢子 ヴィエール：坂本卓也 ------ 全8節のシャンソン・ド・トワル（chanson de toile）。 トワル（Toile）とは、タピスリーのような布のことで、高貴な女性が刺繍などの針仕事をしながら口ずさむような、女性の心情に寄り添った歌詞をもつ作品群のこと。 《美しきドエット》は、窓辺で本を読むドエットの静かな情景からはじまる。装飾的なメロディーは1節につき2度ごと同じものが繰り返される。従軍した恋人ドーンのことを待つドエットのもとに、従者が哀しい知らせをもってやってくる悲劇的な場面が綴られ、後半、彼の死を知ったドエットのシーンには、それまでの短いルフランに続けて「あなたの愛のため、私はサン・ポール教会に入ります」という結びがつけられています。 ----- ［歌詞概要］ 美しきドエットは窓辺に座り本を読む。心ここにあらず、恋人ドーンのことを思うばかり。 ある従者がやってきて、ドエットは大部屋へ駆け降りる。告げられた悲報が信じられない。 「長いことあっていない彼はどこ？」悲痛な従者の姿を目にして、ドエットは倒れ落ちる。 ドエットは膝をつき従者を見やる。殿方に二度と会えないと告げるため心は苦悩に沈む。 「愛しいあの人はどこなの？」「貴女に隠すことなどできません、彼は死んでしまった。」 （ルフラン）なんとつらいことか！ 悲痛な面持ちで尋ねる「誠実なドーン、なぜ？」あなたの愛がなければ私に慰めなどない。 修道院に入ります。彼の命日には祈りを捧げよう。本物の愛のため、修道院に入ります。 修道院に入ったドエットは偉大な女性となりました。愛に破れ苦しむ人々を迎えたのです。 （ルフラン）なんとつらいことか！　（結び）あなたの愛のため、私はサン・ポール教会に入ります ------ 2022年11月4日 新宿ガルバホール

URL：https://www.youtube.com/watch?v=pBdreRTWCtU