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生演奏を人々の生活に みんながHAPPYになれる音楽プログラムで音楽家のキャリア支援をしたい

2024/08/01

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クラリネット奏者として活動しながら、音楽家のキャリア形成と健康経営を目指す企業支援をかけ合わせた「Musica Rumor」を構想中の田ノ原さん。

田ノ原さんが考える音楽家のキャリア支援の必要性と、構想中の企画内容についてお話を伺いました。

——田ノ原さん、まずは自己紹介をお願いします!

田ノ原田ノ原豊織(たのはら とし)と申します。クラリネット奏者としてソロ・アンサンブルで演奏活動をしながら、東京・大阪・愛知・静岡を中心にコンサートの企画や音楽家のキャリア支援をしています。

——プロの演奏家が行う音楽家のキャリア支援、とても興味深いです。

田ノ原音楽家のキャリア支援をしたいと思ったのは、私の経歴が大きく関係していると考えています。

というのも私自身は音大を卒業していません。音楽高校を卒業したあと、一般企業に勤めるためのビジネスマナーやパソコン技術を学べるような短期大学に進学しました。いわゆるプロの音楽家になる人たちとは違うルートを歩んできたという自覚があります。

音大を卒業して音楽家を目指される方が多いなかで、自分の経歴や学んだことが活かせるのではないかとキャリア支援を始めました。音楽家の生演奏を希望する企業との橋渡しになるような役割を担いたいと考えています。

——「キャリア支援」というと、すでに様々なサービスや支援団体があると思うのですが、音楽家に特化したキャリア支援を行ううえでの特徴や、気を付けていることはありますか。

田ノ原一般企業に勤める方は社会に対する知識もあって、井の中の蛙にならないよう俯瞰で物事を考えたり、見たりできる方が多いと思うんです。一方で音楽家は、自分の理想や正義がはっきりしている人も多く、その分偏った考え方を持つ傾向が見受けられます。

こうした考え方や思想は演奏においては音楽性として評価できるので、悪い面ばかりではないのですが、自分で自分の仕事を獲得し、遂行できるようになるサポートが必要な音楽家は多いです。

——たしかに企業に就職するなどの社会人経験によってビジネスマナーや仕事のやり方を覚えていくものですよね。いきなり音楽家としてスタートすることに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。

田ノ原そのうえ、とくにクラシック音楽業界においては演奏家が抱えている問題も多いんです。

——具体的にはどのような問題がありますか。

田ノ原まずクラシック音楽を日常的に聴く習慣のある人は人口の約1%、120万人ほどだと言われています。さらに生演奏など音楽家が活躍することに価値を感じている人はもっと少ないのが現状です。つまり少ないチャンスをモノにする必要があります。

そして自身の目標設定やキャリア形成ができていない音楽家も多く、狭い市場のなかで仕事獲得のために何をすれば良いか、どのように音楽家として自立していくかという目標設定やキャリア形成に考えが及んでいない方も多くいらっしゃいます。

他にも、わたしが実際に目にしたり聞いたりしたなかで、ご両親からの期待が強すぎて、それに答えるためだけに演奏するという音楽家も残念ながら一部存在しています。

——なるほど。それは音楽家に特化した問題解決やサポートが必要になりそうですね。

田ノ原そうですね、そこで考えたのが「Musica Rumor」なんです。

——ご自身が実施されている音楽家のキャリア支援のひとつでしょうか。

田ノ原今は構想中で、実際に音楽家がこの支援を使って活躍してくれる段階にまでは達していないのですが、音楽家のキャリアや自立支援を目的とした「Musica Rumor」という音楽家キャリアデザインスタジオを立ち上げ、Step1から5までのプログラムを組みました。音大生や音大を卒業した人をターゲットに、音楽家として生きていくうえで必要な知識や技術、アイテムをオンラインで提供するサービスです。

田ノ原音楽家にとって腕や腰などを故障しないことはとても重要なので、トレーニングの仕方や体作りのサポート、情報提供なども行う予定なんですよ。

ステップを踏むことで実践経験やオーディションの開催、実際に音楽家個人がコンサートを開催するまでのサポートができたらと考えています。最終的には健康経営を心がける企業と音楽家とのマッチングで、企業向けに、音楽家が生演奏を披露する機会の創出を目指しています。

「Musica Rumor出身の音楽家である」ということが名刺代わりになり、その後の仕事の獲得につながるような認知度や信頼、実績のあるサービスにすることが目標です。

詳しくはぜひこちらのページもご覧ください。
https://yoor.jp/door/MusicaRumor

——このプログラムを実際に開始するために、今課題に感じていることはありますか。

田ノ原資金調達は大きな課題のひとつです。少しずつ協力者は増えてきているのですが、前例がないためなかなか資金提供が受けられていません。しかしこの構想は音楽業界に限らず、他の芸術で活躍したい人にも適用できると考えていますので、実行のために今奔走しているところです。

——活動に具体性を持たせるためにもピッチコンテストにも出られているとか。

田ノ原実は女性起業家の登竜門とも言われる「フィガロジャポンBWA Pitch Contest 2024」のファイナリストに選出していただきました。7月18日には本選が行われる予定で、ここでも「Musica Rumor」について発表します。賛同者が現れるなど波紋が広がることを期待しています。

ピットコンテスト詳細は、以下をご参照ください。

フィガロジャポンBWA Pitch Contest 2024

日時:2024年7月18日(木) 19:00-21:00

場所:ミッドタウン八重洲

コンテスト詳細: https://musicarumor.com/archives/509

コンテスト動画: https://www.youtube.com/watch?v=cnJJFKF_l7o&t=2750s


田ノ原さんよりコメント

日頃よりの皆様のお力添えを賜り、2024年7月18日(木) ミッドタウン八重洲 POTLUCK YAESU にて実施されましたFigaro Japon BWAピッチコンテスト2024への出場を果たしました。

当日のピッチの様子は、動画をぜひご覧くださいませ。

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——コンサートスクウェアもクラシック音楽の普及や、プロの音楽家の卵を応援することを目標のひとつとしています。通じる部分も多く非常に興味深くお話を伺うことができました。今後のご活躍を期待しております! 本日はありがとうございました。

わたしも同じ志を持つ人たちと協力しながら、今後もクラシック音楽業界や音楽家の発展に貢献できたらと思っています。ありがとうございました。

田ノ原 豊織 プロフィール

東京/大阪/愛知/静岡を中心に音楽家のキャリア支援のほか、ソロ・アンサンブルでの演奏活動も行う。

Duo Vivant(デュオ ヴィヴォン)/Trioぽっぷを主宰。

受賞歴は名古屋ソロクラリネットコンテスト 一般の部 優秀賞/いかるが音楽コンクール 音楽大学卒業の部 奨励賞 等
様々なコンクールでの受賞経験を持つ。一般社団法人 日本音楽家支援協会 運営メンバー/Musica Rumor 代表

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Musica Rumor

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中の人は、アマチュアオーケストラで打楽器をやっています