近藤嘉宏さん、デビュー30周年記念リサイタルのご開催おめでとうございます。
(こちらの投稿はあくまで私個人の思うところを記したものです。烏滸がましく申し訳ございません。)
こちらの大ホール、以前にもお聴きしましたが、柔らかく包み込まれるような心地良い響きが素晴らしかったです。今回は座席設定がまた素敵…ひとつ飛ばしの指定席。聴き手ひとりひとりが心置きなく音楽と向き合えると思います。音響面から考えても贅沢ですよね…。
近藤さんは、楽器の構造を熟知なさった上で、様々なタッチを使い分けられて音色を組み合わせることや、細かいパッセージにまで自然で美しい曲線的な音の繋ぎ方をなさることで、彩り豊かで分離性が高くプリズムのような美しい響きのハーモニーと、自然でさりげない歌声のようなメロディーを奏でられます。
作品の世界がフワッと空間に放たれるような、光と影から浮き彫りにされた情景が見えるような、絵巻物が鮮やかに描き出されていくような演奏は、聴く人の心の奥深くに語り掛け、寄り添い、作品の世界へ誘い出すようだったり、天界に通ずる光が射すようだったり……大きなルバートもテンポの変更も無いのに…です。シンプルなようでいて全くシンプルじゃない…。
今回は近藤嘉宏さんデビュー30周年記念のリサイタル。一期一会の音楽に向き合う特別な時を、おひとりでも多くの方と共有できれば素敵だなと思います☺️