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コンサートについて
第22回目となる定期演奏会のメインプログラムは、マーラー作曲の交響曲第1番「巨人」。前回はブルックナー作曲の交響曲第4番「ロマンチック」で、後期ロマン派のスケールの大きな曲が続きます。ブルックナーとマーラーは時々比較され、活躍する時代も重なります。前回の「ロマンチック」の演奏時間は1時間を超え、今回の「巨人」も1時間近くあり、「演奏時間の長さ」は確かに共通点かもしれません。しかし、伝わってくるものは大きく異なり、ブルックナーの方は宇宙空間が目の前に広がるような「外向き」のイメージ。一方、今回のマーラーはベクトルが「内向き」で、地球上の身近な自然であったり、人間の内面の繊細さ(小宇宙?)といった印象です。
さて、今回のマーラーの交響曲ですが、やはりブルックナーと同様に何度も書き換えられ、多くのバージョンが存在することでも共通します。交響曲第1番は演奏される機会も多い名曲ですが、通常は4つの楽章で演奏されます。しかし、今回当団で採用したのは「ハンブルク稿」と呼ばれる5楽章の形式で、販売されるCDもごく僅か。挿入されるのは初版で存在していた「花の章」と呼ばれる第2楽章で、改訂で削除され紛失していたものが第2次大戦後に発見されます。その後も残りの楽章は改訂され続け、今日最も演奏機会の多いマーラー協会の「全集版」に「花の章」が挿入されて演奏されることは時にありますが、当団では譲歩せずにオリジナルの「ハンブルク稿」にチャレンジ。度重なる改訂の影響で指揮者のスコアとパート譜が異なるなど、「解読作業」にも注力した演奏会へぜひ足をお運びください。
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