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コンサートについて
クラシック音楽における最も重要なジャンルのひとつ、交響曲、シンフォニー。語源の「シンフォニア(調和した響き)」という言葉は、オペラやオラトリオの中の序曲や間奏曲といった器楽曲を示すこともあった。その器楽曲を単独で演奏したことが交響曲の始まりである。交響曲は発展し、整備され、定義づけされ、ハイドンやモーツァルトの時代には基本的なスタイルが確立した。管弦楽によって演奏されること。複数の楽章で構成されていること。調性、楽想の上で全体の統一が図られていること。楽章のうち少なくともひとつはソナタ形式で書かれていることなどである。
交響曲を未曾有の高い芸術にまで引き上げたのは、ドイツの作曲家ベートーヴェン(1770–1827)である。規模や内容を充実させ、楽器編成を拡大し、標題を付けたり合唱を取り入れたりと、伝統にとらわれることなく、大胆に書き進めていった。彼の作った九つの交響曲は、いまも燦然と輝いている。同じくドイツに生まれたブラームス(1833–1897)は、ベートーヴェンを崇拝していた。交響曲を書きたい。しかし、至高とも思えるベートーヴェンの交響曲をどう超えればよいのか。最初の交響曲が着想から完成まで21年もの歳月をかけて誕生したことは、あまりに有名だ。残された四つの交響曲は、骨太な枠組みの中にロマンをたっぷりたたえている。
ベートーヴェンが古典派交響曲の、ブラームスがロマン派交響曲の頂点を極めたといってもよいのではないだろうか。
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