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水星交響楽団
第62回定期演奏会
2021年11月28日(日) 13:30 開演
指揮者: 齊藤 栄一
伊福部昭
シンフォニア・タプカーラ
/
キース・エマーソン/吉松隆:
タルカス
/
ショスタコーヴィチ
交響曲第12番「1917年」
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今回演奏する3曲は20世紀半ばの20年足らずの間に書かれていますが、内容的にはまさに三者三様。しかしながら「アレグロの快楽」という音楽の身体的な訴求力を、それぞれが独自のやり方で追及している、とは言えるかもしれません。
伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」は1954年に作曲、1979年に改訂された3楽章形式の交響曲。曲名の「タプカーラ」とはアイヌ語で「立って踊る」の意で、北海道に生まれ育った伊福部が幼少期に触れたアイヌの唄と踊りの記憶を反映しているとのこと。簡素で力強い伊福部節に貫かれた急緩急の3つの楽章には儀式的な荘厳さが漂います。
「タルカス」は英国のプログレッシヴ・ロック・バンド、エマーソン、レイク&パーマーが1971年に発表した同名アルバムのA面全部を占める組曲。キーボーディスト、キース・エマーソンが、ふと思いついた「タルカス」という言葉の響きに触発されて制作されました。疾走感にあふれる変拍子のリフで始まりますが、そのカッコよさたるや一度聞けば虜になる
こと間違いなし。今回はこれを吉松隆によるオーケストラ版でお聴きいただきます。
最後は「1917年」の副題を持つショスタコーヴィチの交響曲第12番。1930年代にレーニンを讃える作品として構想され、10月革命を描いた曲として1961年に完成した曲です。初演がその年の共産党大会の開会式に合わせて行われ、ショスタコーヴィチがその直前に共産党に入党したことなどから、「体制迎合的」な「駄作」とされてきました。しかし、第1楽
章をソナタ・アレグロ形式で開始し、その主題を循環主題として全曲をまとめ上げる彼の作曲技法の冴えは特筆すべきもの。さらには曲中に密かなスターリン批判が込められているとの説もあり、様々な面からの再評価が待たれる曲でもあります。
さて、これまでも近現代の作品をそれなりの頻度で取り上げてきた私たちですが、実は第二次世界大戦後に書かれた作品のみを集めたプログラムを取り上げるのは36年の歴史上初めてのことです。そんな新たな挑戦に、皆さまご期待ください。
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