ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 非公式情報

アンドリス・ネルソンス指揮

2023年11月21日() 19:00 開演

サントリーホール 大ホール東京都

https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20231121_M_3.html

指揮者: アンドリス・ネルソンス / ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

フェリックス・メンデルスゾーン 序曲 『美しいメルジーネの物語』 Op. 32 / ロベルト・シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 54 / フェリックス・メンデルスゾーン 交響曲第3番 イ短調 Op. 56 「スコットランド」

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コンサートについて

ヴァントハウス管の美質を尊重し、現代世界を駆けるネルソンス
バーミンガム市交響楽団やバイロイト音楽祭など、オーケストラとオペラの双方で頭角を現し、またたくまに現代を代表する指揮者のひとりへと駆け上がったアンドリス・ネルソンス。名門ボストン交響楽団に続き、2018年には老舗ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者に就任し、クラシック界の耳目をさらったことを、つい昨日のことのように想い出す。このふたつのオーケストラのシェフとなって以降、来日の機会が増えてきたのは本当に喜ばしい。双方のオーケストラがともに協力して作り上げたリヒャルト・シュトラウス・プロジェクトは、音楽を鑑賞するということの根本的な意味の問い直しを迫られたコロナ禍の時勢にあって、記念碑的な意味合いを持って、我々の前にその姿を現した。

 オーケストラ奏者の流動性が進み、グローバル化が叫ばれる現代にあってなお、ネルソンスが率いるオーケストラの音色は、いずれもかつての美質を保っている。ゲヴァントハウス管であれば、ライプツィヒに縁あるメンデルスゾーンやシューマンを端正に響かせるいっぽうで、ワーグナーやブルックナーを重厚に描くことができる。その唯一無二の音楽的特徴を、ネルソンスは最大限に尊重し、大切に扱っているのだろう。

折しも、ゲヴァントハウス管と録音を完成させたブルックナー交響曲集においては、ワーグナー作品がかならず組み合わされている。そのことの真の意味、そして説得力を、我々はいまこそ、演奏会場で目の当たりにできることだろう。

広瀬 大介 (音楽学・音楽評論)

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