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奈都トリオコンサート
孤高の作曲家たち
2024年05月11日(土) 14:00 開演
ピアノ: 堀田哲夫 / バイオリン: 辻佳良 / チェロ: 西村美菜子
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
ピアノ三重奏曲第44番ホ長調Hob.XV-23
/
ヨハネス・ブラームス
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op.101
/
アントン・アレンスキー
ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.32
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コンサートについて
奈都トリオ
2021年結成。経理課会社員、精神科医、ピアノ開発者によるピアノトリオである。各々が職を持ちながら、弾くことだけは手放さずに取り組んできた3人が、「音楽の街浜松」で出会い、結成した。
2023年、第1回下田国際コンクールアマチュア部門第1位。
ハイドンは、開拓の人である。なんの後ろ盾もなく、流しの音楽隊でその日暮らしをしていた頃から、音楽への飽くなき情熱と並外れた勤勉さがハイドンを支えた。29歳で宮廷音楽家になると、職人のようにこつこつと独自の音楽的実験を続け、音楽を著しく進化させていった。その作品は、優雅で明るい古典の良さを持ちながら、少年のように自由闊達で、ユーモアと慈しみに満ちている。
しかし、このピアノ三重奏曲第44番では、その音楽の更なる深淵に驚かされる。その深く沈み込むような前衛的な響きには、より美しく新しい音楽へのハイドンの渇望が溢れる。
ブラームスは徹底した完璧主義で、明白な好き嫌いと独自の美意識を持つ。メトロノームを痛く嫌っていたように、一定の機械的なリズムを刻むことに否定的で、小説線に縛られない音楽を求めた。
このピアノトリオ第3番ハ短調では、わずか20分の演奏時間の中にブラームス的な要素が凝縮される。3楽章では全編を変拍子で書くという実験的試みにより、拍感からの制約を超えようとした。円熟期を迎えたブラームスは、更にその美学を洗練させていくのである。
アレンスキーは刹那的で移り気、勤勉でもない。天性のの才能で若くして音楽院で教鞭を取り、ラフマニノフ等逸材を多く輩出したが、女子学生とのスキャンダルから逃げるように音楽院を辞し、酒とギャンブルに溺れる放蕩三昧の生活を送った。身を持ち崩しながらも、作曲の手を止めることはなく、結核を患い死期を悟ると、更に取り憑かれるように様々な作品を書き、45歳で亡くなった。
ピアノトリオ第1番は、アレンスキーの代表的な作品である。その作曲は、繊細な質感を持ち、小洒落て哀愁があり、媚薬のように甘美である。人間的な脆さを内包しながらも、作曲に於いては決して破綻せずに、芸術性の高い作品を書き続けたその意志は、孤高である。
それぞれの楽譜から溢れる、それぞれが求めた音楽。奈都トリオが真摯に受け取り、音として紡ぎ出す。
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