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芥川也寸志メモリアル オーケストラ・ニッポニカ
第36回演奏会《日本バレエ・舞踊史における1950年》
2020年02月23日(日) 14:30 開演
伊福部昭=今井重幸 構成・編曲:
オーケストラの為の交響的舞踊組曲「プロメテの火」(1950/2009)組曲版
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芥川也寸志
舞踊組曲「蜘蛛の糸」(1968)
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ストラヴィンスキー
バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)(1911/1947)*
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コンサートについて
1980年代以降、ローザンヌをはじめとする国際コンクール、英国王立をはじめとする世界最高峰のカンパニーにおいて、日本出身ダンサーの活躍が著しい世界のバレエ界。現在も優れた才能を輩出し続けている背景には、第二次世界大戦の前後から第一線の舞踊団で真髄を吸収し、戦後の日本にバレエ興隆の礎を築いた先駆者たちの存在がありました。今回は彼らの多大な功績に焦点を当てます。
ロシアの舞台芸術家・興行師として高名なディアギレフがバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)を主宰し、ストラヴィンスキー『ペトルーシュカ』(1911年、今回は1947年版を演奏)をはじめ数多の重要なバレエ音楽を委嘱していたパリ。1929年、ディアギレフの死をもって解体された舞踊団の趣旨を引き継いだのは、当時の中華民国で1934年に設立された上海バレエ・リュスでした。ここで人気ダンサーとして活躍した小牧正英は、戦後日本で小牧バレエ団を設立、1950年にバレエ『ペトルーシュカ』の日本初演を果たしました。
1950年は、日本の音楽舞踊熱が高まった年でした。ドイツ表現主義舞踊出身の江口隆哉・宮操子夫妻は、ギリシャ神話を題材とした創作舞踊を企画。音楽を伊福部昭に委嘱した『プロメテの火』(今回は今井重幸編の組曲版を初演)は、全国で爆発的な人気を博し数々の栄誉を受賞します。日本における音楽舞踊の裾野が一気に拡大する、センセーショナルな出来事でした。
同年『交響管弦楽のための音楽』で一躍注目を集めた芥川也寸志は、2つの舞踊音楽を作曲。その後もいくつかダンスのための作品を手掛けていますが、楽譜の所在が確認されていません。完全な形で現存する舞踊音楽は、NHKの放送企画で作曲した父・芥川龍之介の原作による舞踊組曲『蜘蛛の糸』(1968年)でした。時代を超えた親子合作の話題性に加え、旋律的で快活な従来作品とは異なる厳しい和音と重苦しい表現により、芥川が作風をシフトしていく時期のシンボリックな作品となりました。
3曲の舞踊音楽を通じて、戦後復興期から高度経済成長期における日本バレエ界の熱気の名残を再現いたします。タクトは、2009年の初登壇以来、定期的に客演を重ねる鈴木秀美。徹底した楽曲・時代研究による演奏で世界的に認められたチェリスト、教育者であるマエストロが、蘇演作品の原風景と西洋名曲の新境地へと導きます。
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