アンサンブル≪ヴェネラ≫ 2024

トゥーランガリラ ― 時を越えて紡がれる愛の歌

2024年03月16日() 13:30 開演

ミューザ川崎シンフォニーホール 音楽ホール神奈川県

指揮者: 夏田 昌和 / オンド・マルトノ: 大矢 素子 / ピアノ: 大須賀 かおり

O.メシアン トゥーランガリラ交響曲

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コンサートについて

 ― トゥーランガリラ交響曲 ―
 フランスを代表する作曲家オリヴィエ・メシアンが世に送り出した、20世紀交響曲の最高峰にそびえ立つ音楽遺産。「春の祭典」と双璧を成し、20世紀音楽の不滅の金字塔とされるこの偉大な傑作がテーマとするのは「時」と「愛」。遥か古代から現代へと時空を超えて愛を紡ぐ、壮大な物語です。
 古代インドの神聖言語サンスクリット語(梵語)に由来する「トゥーランガリラ(Turangalîla)」とは、多彩で複雑な意味を持つ合成単語です。メシアンはこの交響曲の世界観について、『Turaṅgaには「時」「時間」「天候」「楽章」「リズム」、Līlāには「遊戯」「競技」「作用」「演奏」「愛」「恋」「恋愛」の意味がある。』と述べています。それ故に、トゥーランガリラ交響曲とは「愛の歌」「愛の悦びへの讃美」であり、「時間とリズム」であり、「宇宙に於ける神の遊戯(そして創造の遊戯、破壊の遊戯、再創造の遊戯)」であり、「生と死への讃美」でもある、ともメシアンは綴っています。
 全10楽章、演奏時間80分を要し、多彩な打楽器やピアノ独奏、そして電子楽器オンド・マルトノ独奏を伴う、異形ともいえるオーケストラ編成から描き出される「時」と「愛」の巨大音楽絵巻。しかしメシアンはそれだけに留まらず、さらに「鳥の鳴き声」「花の音色」「古代の彫像」「星々の血の喜び」「愛の眠りの園」「天国の歓喜」等といった様々な音色彩を、カレイドスコープ(万華鏡)の如くこの交響曲に織り込みました。
 宗教的でありながら世俗的、神智的でありながら官能的、聖と俗、愛と性、生と死、創造と破壊。まるで現代の矛盾に満ちた人間社会を写す鏡のように、表裏一体にあるものたちが複雑に絡み合いながら、神の遊戯によってひとつに融合され、「時」の輪廻の中で統一される世界。そしてその世界を遍(あまね)く包み込む「愛」。そんな圧倒的威容を誇るこの大作に、私たちアンサンブル≪ヴェネラ≫は、畏怖と畏敬の念を込めて挑みたいと思います。
 2024年3月16日、ミューザ川崎。流麗たるフランス音楽の正統後継者であるメシアンの、色彩の贅を極めた音の洪水を体験すべく、ぜひ足をお運び頂ければ幸甚です。

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