子供ができてからコンサートに行くことができず、サントリーホールに来たのはおそらく5年は経っている。前回何を聴いたのかは覚えていないくらい。
育児があるのになぜ無理やりこのチケットを買ったかというと、エルガーの交響曲第1番が好きで、イギリスのオーケストラがどんなエルガーをやるのだろうと興味があったのと、指揮の山田和樹さんは聴きたかったけど聴いたことがなくて、ちょうどいい機会だった。
では当日のはなし。
久々のサントリーホール。あったはずのサブウェイが無い…。なくなったの知らなかった。飲み屋さんになっていて、一杯やってからホールに入りたい気分になった。
入ってみると、満員に近い入り。着物を来たりおめかし(?)している人も結構いて、最近のクラシックコンサートがこんな感じなのか、今回の公演がそういうことなのかよくわからなかった。
そして開演。
ショパンのピアノ協奏曲ぜんぜん知らなくて、樫本大進のブラームスの会の方がよかったなあ、と思ってたけど、めっちゃよかった。2楽章の美しさたるや…。アンコールのラヴェルの道化師の朝の歌がこれも良かった。こっちは知ってたから楽しめたし、勢いとスピード感がピアノ1人とは思えずで、ピアノリサイタルって聞いたことないけど、すごい音楽家はサントリーでも十分聴かせられることがよくわかった。
しかし、全然コンチェルトは曲が覚えられない。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲も皇帝も全く知らずで演奏する機会があったからいい曲だと知ったけど、今や全く曲を思い出せない。曲的に興味ないのかもしれない。
ティンパニは本革じゃなくてルネッサンス、バチはフランネル。楽器が良く鳴ってた。曲的にあそこまで鳴らさないという選択もある気がするけど、オケを支えてていい感じだった。
終わった後に普通にスタンディングオベーションしてる人がいた。5年前はこんなんなかったな。なんかカルチャー変わった?
休憩時、ビールを飲もうかと悩んだ結果、意識を失いそうなのでやめた。それは正解だった。
そして後半。
いやー、エルガーめっちゃ良かった。
冒頭から録音では読み取りにくい音の緊張感と音色にハッとさせられる。全体的にゆっくりめのテンポで好きなコリン・デイヴィスの演奏を思い起こされた。広がりがある壮大な世界観。個人的に好き。
全体として元気が良くて、ノリノリだったように見えた。バーミンガム市響がそういう色なのかもしれない。一方で、3楽章終盤のppの透明感も鳥肌がたった。
そして打楽器、冒頭からティンパニもそうだったけど、2楽章以降出てくる打楽器も含め、ノリノリやった。アメリカンスタイル。なるほど、前半は充分抑制的だったんだ。でも、2楽章のシンバルのppハモってたし、好きなティンパニとトロンボーンのフレーズ、素晴らしかった。
そして4楽章。Allegroからはテンポ速め、中間部はゆっくりとこれもコリン・デイヴィスっぽくて期待を裏切らない。そしてコーダで主題に戻り、最後のティンパニのAs(たしか)のソロ、両手でやってたのを見届け、感動のうち終了。
そして…アンコールのウォルトンの映画音楽「スピット・ファイア」前奏曲。威風堂々みたいなウォルトンのマーチ好きなんだけど、この前奏曲も同じような構成で、ほぼ演奏されないから生で聴けただけで感動だった。
アンコールまで楽しみ尽くして良いコンサートだった。行ってよかった。
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