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2024/11/13
北東京フィルハーモニーオーケストラは、2024年に東京都北部から埼玉南部を中心とした地域で新たに発足したアマチュアオーケストラです。特定の母体を持たず、完全なゼロからのスタートを切った同オーケストラは、「お互いを尊重し合うこと」と「技術に妥協しない」という理念を、立ち上げ当初から掲げています。そして、現在では音楽に対する情熱と向上心を持つ人々が集まり、プロ指揮者・トレーナーの指導のもと、個々の技術力を高めつつオーケストラとしての音作りに挑戦しています。 今回は、北東京フィルハーモニーオーケストラの創立背景や独特な音楽館、そして現在の活動内容について詳しく伺いました。
——「ぶらぶら」さん、とお呼びすれば良いでしょうか?
ぶらぶらはい、そう呼んでいただければ嬉しいです。 「博多ぶらぶら」をオーケストラのマスコットにしたのはちょっとした遊び心でしたが、偶然にも福岡出身である指揮者の大河内雅彦先生の奥様の目に留まり、そこから先生とのご縁が生まれたんです。博多ぶらぶらのおかげで「面白い取り組みをしている団体があるな」とご興味を持っていただき、大河内先生に本格的にご指導いただけることになりました。 この名前は福岡の銘菓「博多ぶらぶら」から取っていて、名前およびキャラクターの利用については、お菓子を生産されている博多菓匠 左衛門 様から正式に許可をいただいております。
——「博多ぶらぶら」が紡いでくれた素敵なご縁ですね!北東京フィルハーモニーオーケストラは、まだ発足から間もないですが、どのようなオーケストラなのか教えていただけますか?
ぶらぶら「北東京フィルハーモニーオーケストラ」(以下、北東京フィル)は、ちょうど昨年の今頃から準備を始めた、まだ新しいオーケストラです。一般的には、既存のネットワークや母体があるオーケストラが多いと思いますが、私たちは特定のバックグラウンドを持たない、いわば「白紙」からのスタートなんです。理念に共感してくださる方々が、少しずつ集まっていただく形で活動を始めました。
——ゼロからのスタートというのは、挑戦的でしたね。大変だったのではないでしょうか?
ぶらぶらそうですね、最初は試行錯誤の連続でした。でも、それだけにオーケストラの「オーケストラとして共通の語法」を一から作り上げるという、他にはない貴重な経験ができています。このような方針のもとでメンバー全員が音楽に真摯に向き合い、一緒にオーケストラのカラーを創り上げているところです。 指揮者の大河内先生も、「このオーケストラのスタイル、共通の語法を作っていく」というところからご指導下さっています。 北東京フィルでは、「お互いを尊重し合うこと」と「技術に妥協しないこと」という2つの理念を大切にしています。まったくのゼロから立ち上げたので、アマチュアであっても、しっかりと音楽に取り組みたいという思いで集まったメンバーが多いですね。
——本気で取り組むメンバーが集まるからこそ、オーケストラとしての成長が期待できますね。現在団員募集をされてるとのことですが、どういった方々に興味を持ってもらいたいと考えていますか?
ぶらぶらやはり、「音楽に対して真摯に向き合い、自分のスキルをさらに向上させたい」と考えている方々に集まっていただきたいと思っています。特に向上心の強い方にはぴったりな場です。 指導陣も大変熱心で、プロの視点から技術的なご指導を受けられるのも大きな魅力です。先にお話しした指揮の大河内先生だけでなく、ゲストコンサートマスター/弦トレーナの佐々木実美先生、管トレーナの大成雅志先生といったプロの指導者たちが、一人一人に目を配りながらご指導くださっています。
——非常に充実した指導体制ですね。プロの指導者の方々と一緒に練習をすることによって、団員の皆さんのモチベーションも高まりますね。
ぶらぶらそうですね。先生のご指導を通じて、メンバーも一体となり、単に演奏するだけでなく、オーケストラとしての「個性」を創り上げていくプロセスを楽しんでいます。 北東京フィルという新しいスタイルのオーケストラを創り上げることは、団員にとっても非常に貴重な経験になると思います。基本的に全ての合奏のご指導は大河内先生の指揮で、さらにゲストコンマスの佐々木先生がリードしてくださいます。11月からは佐々木先生、大成先生による分奏も始まります。
——バックグラウンドがない状態からのスタートだったからこそ、団員が一丸となって北東京フィルの個性を築いていけるところが魅力の一つということですね。
——「博多ぶらぶら」がご縁を結んでくれた大河内先生の指導スタイルについても教えていただけますか?
ぶらぶら大河内先生は非常に厳格で、技術や表現に一切妥協を許さない方です。オーケストラに求める音楽的な方向性が非常に明確で、プロのオーケストラと同じような高いレベルを目指したご指導をしてくださいます。 団員も受け身の姿勢で漠然と先生の指導を受けているわけではありません。練習後にはやり遂げた感があります。
——その「やり遂げた感」が次のステップへの意欲につながっていくのでしょうね。先生はもちろんですが、団員の皆さんの姿勢も素晴らしいですね。
ぶらぶらそう感じています。どのオーケストラでもそうですが、音楽を作り上げていく際には、自発的に学び、成長しようという姿勢が大切です。大河内先生も、「このオーケストラの語法やスタイルを持つ」とおっしゃっていますが、これはただ演奏するだけでなく、音楽の深い部分での一体感や理解が求められることを意味していると思います。そのために、練習では各自が自分の役割をしっかり果たし、他の団員との調和を図る努力をしています。
——なるほど。それぞれが個性を持ちながらも、オーケストラ全体の一体感を大切にしているわけですね。練習風景もきっと和気あいあいとしながらも引き締まった雰囲気なのでしょう。
ぶらぶらその通りです。実際に練習後に撮った写真があるのですが、指揮者の大河内先生とゲストコンマスの佐々木先生、そしてチェロトップの団員が満足そうに微笑んでいる一枚があります。写真からも、練習を通じて団員がひとつの目標に向かっている達成感が伝わってくると思います。
——写真を拝見するだけでも、練習の充実感が伝わってきますね。きっとこの場でしか得られない学びや達成感が、団員の皆さんをさらに高めているのですね。
ぶらぶらそうですね、私たちのオーケストラは、技術の追求だけでなく、団員一人ひとりが音楽と真剣に向き合える場でもあります。まだまだ規模は小さいですが、向上心と音楽への情熱を持った仲間たちを募集中です。
——来年4月の第1回の演奏回を目指しているとのことですが、今後さらにオーケストラの規模を大きくしていく予定はありますか?
北東京フィルハーモニーオーケストラ
日時:2025年04月26日(土) 14:00開演
場所:さいたま芸術劇場 音楽ホール (埼玉県)
詳細 : https://www.concertsquare.jp/blog/2025/202404072.html
<プログラム>
ぶらぶらはい、第1回の演奏会の後、次の定期演奏会を実施する方針も既にみんなで決めているので、引き続きオーケストラの規模を大きくしていきたいと思っています。上を目指す以上、一定の技術を持っている方や、向上心のある方と一緒に演奏していきたいです。将来目指すべき音楽に向かって努力していこうという姿勢がある方にぜひご参加いただきたいですね。
——音楽に真摯に向き合い、成長意欲のある方を求めているんですね。他に、この記事を通じて伝えたい北東京フィルの魅力やアピールポイントがあれば教えてください。
ぶらぶらそうですね、オーケストラとしての魅力はもちろんですが、指揮者である大河内先生の音楽性についてもぜひ知っていただきたいです。第1回の演奏会では、ベートーヴェンの交響曲第1番と第8番、そして『プロメテウスの創造物』序曲という、2管編成の作品を取り上げています。 一般的に古典作品といわれる楽曲ですが、大河内先生は「今の私たちはマーラーもストラヴィンスキーも知ってしまっているからベートーヴェンは古典と思いがちだが、ベートーヴェンはハイドンやモーツァルトを聴いていた当時の人々にとっては強烈なロックのようなものだった。」と表現されるんです。先生の解釈が新鮮で、新しい発見も多く、僕らもそのエネルギッシュな視点で曲に取り組んでいます。
——ベートーヴェンの曲を新しい視点で捉えていらっしゃるんですね。演奏にも斬新なアプローチが反映されていそうですね。
ぶらぶらメンバーも大河内先生の視点に共感し、真剣に取り組んでいます。また、弦楽器の人数はまだ少ないのですが、ちょっと秘密のスペシャルでユニークなメンバーもいます。
——最後に、この記事を読んでくださっている方々、そして北東京フィルに興味を持ってくださった未来の団員候補の皆さんにお伝えしたいことがあれば、ぜひお願いします。
ぶらぶら私たち北東京フィルハーモニーオーケストラは、個々の音楽性や向上心を尊重し、皆で意見を出し合いながら、オーケストラの「個性」を創り上げているところです。私たちの理念や音楽観に共感し、「自分も一緒に音楽を作りたい!」と思っていただける方々と出会えるのを楽しみにしています。 また、最後に先生方からも応援のメッセージをいただいていますので、ご紹介させていただきます。 指揮:大河内先生からのお言葉 「北東京フィルは良いオーケストラへと成長中です!このオケを一緒に育てて、個人としても成長をしていける仲間を募集中です」 ゲストコンマス:佐々木先生からのお言葉 「楽器演奏の習得において、オーケストラで演奏できるレベルに達するまでにはかなりの練習と忍耐、努力が必要です。さらに高みを目指そうという方々が集まっており、団員の皆様が日々の仕事をこなしながらも熱心に音楽に取り組んでいらっしゃること、心から嬉しく素晴らしいことだと思っています」 まだ規模は小さいですが、一緒に成長し、音楽の喜びを深めていける仲間を募集しています。興味を持ってくださった方はぜひ一度見学にいらしてください!募集パートや詳細はこちらをクリックしご覧ください。
——素晴らしいお話をありがとうございました。今回の記事を通じて、さらに多くの方に北東京フィルハーモニーオーケストラの魅力が伝わることを願っています。
(インタビュー・構成/松永華佳)
2024年2月本格活動
中の人は、アマチュアオーケストラで打楽器をやっています