【楽曲の構造を再認識させられた今田篤さんの演奏】
私の中では「須藤梨菜ピアノリサイタル ヤマハ/カフェトーク共催(2019年08月23日
(金)19:00開演)」ベートーヴェン 「月光」他に続いてと言う感じでしたが、今回は
「今田篤ピアノ・リサイタル(2025年02月12日(水)19:00開演 王子ホール)」ベートーヴ
ェン 「熱情」他と言うプログラムでした。
最初の2曲はショパン:ノクターン Op.9-2・幻想即興曲 Op.66でしたが、控えめな左手
と感じる一方で、三拍子・6連符の左手と右手のメロディを聴いていて「左手の正確な
テンポを保ちながら、右手を遅らせながら自由に歌わせる技術」(失われた伝統(1)
ラウル・コチャルスキのショパン より)を感じました。
続いてショパン:「別れの曲」・バラード第1番の後にシューマン:「飛翔」でしたが、
唐突に雪崩れ込む冒頭の主題と感じる一方で、次の長調に転じて現れる軽やかな主題が
「左手の低音部の音をしっかり出すけど、ペダルを踏んだ時に音が濁らないようにする
」(シューマン「飛翔」(幻想小曲集op.12-2)の弾き方と気になる ... より)左手の
音量バランスを取った演奏と感じました。
休憩後の2曲はベートーヴェン:幻想曲ト短調 Op.77・「熱情」でしたが、第3楽章コーダ
Prestoのタッチが軽いと感じる一方で、「快速でありながら1音たりとも疎かにせず、
それでいてデュナーミクの幅を大きくとらずに安定した運びで進める」(ヴァルター・
ギーゼキング/ワーナー・クラシックス録音全集 04 より)テクニックで聴かせる演奏
と感じました。
普段はCDを聴いていて上記の内容を感じないので、中々面白いコンサートでした。
こういう訳で、今後銀座にベートーヴェン 「悲愴」他と言う第三の企画が登場するか
楽しみにしています。
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