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若くエネルギーのある学生オケ・都立大学管弦楽団の魅力

2024/08/18

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日本には、一般大学にも多くのオーケストラがあり、活発な活動が行われています。充実したトレーナー陣と共に研鑽を積み、年2回の演奏会を行っている、都立大学管弦楽団部長の柴田さんにお話を伺いました。

——まずは柴田さんの自己紹介をお願いします。

柴田改めまして、都立大学管弦楽団部長の柴田と申します。担当の楽器はコントラバスで、大学から始めました。他にもフルートやクラリネット、ピアノ、和太鼓などをやっていました。

——和太鼓!

柴田地元に和太鼓クラブがあって、小学校1年生から6年生までやっていました。

——結構長いですね。

柴田静岡県浜松市の出身なんですが、音楽が盛んで、音楽系の習い事ができる環境がすごく整っていて、地元のアマチュアの方に教えていただいていました。コントラバスを始めたきっかけは、高校でマンドリン部に入ったからですね。マンドリン部と言う名前ですが、マンドリンだけではなく、ギターやコントラバスなども合わせてオーケストラに近いことをやっていました。

——高校にマンドリン部があったんですね。

柴田静岡県はマンドリンも盛んで、高校ではマンドリンをやりました。マンドリンかコントラバスをやりたいな、と思っていたところで「マンドリン部に入ったからマンドリンがいいんじゃない?」と親からの後押しがあって、マンドリンにしたんです。なので、大学からはコントラバスをやりたいな、と思って始めました。もともとクラシックに興味があったというよりは「この楽器をやってみたい!」という気持ちで管弦楽団に入りました。

——それでは団体の紹介をお願いします。

柴田私たちは、主に都立大生を中心に活動していて、加えて周辺の大学からも集まってインカレみたいな感じでやっています。現在の部員は約60人で、特徴としては大学からの初心者も多いので、初心者も入りやすいオーケストラになっています。

——初心者も入りやすいのはいいですね。

柴田初心者から始めても同じ初心者の仲間がいるし、逆に小さい頃から先生に十年以上習っている人もいます。他の部活では交わらないような人たちが、音楽歴や楽器経験に関係なく一緒の音楽をやっている、というのが他の部活にはなく面白く感じます。コンサートでソリストを務めるような有名な先生が多いので、手厚い指導を受けられるな、とも感じています。

——それはトレーナーということですか?

柴田そうですね、各楽器に1人ずつトレーナーがついています。N響など多方面でご活躍された先生方が指導してくださるので、先生の指導を受けると学生指揮が振っているときとは違った緊張感が生まれますね。

——それは恵まれていますね。指揮者の増井先生はどんな方ですか?

柴田増井先生は合奏の途中にアイスブレイクを挟んでくださるような、気さくな先生です。けれど、指導するときは全部ちゃんと見られているんだな、と感じています。特に演奏してほしいパートを見て「ここはしっかり出してほしい」というのが目線で伝わってきますね。

——普段の練習はどんな雰囲気でやられていますか?

柴田普段は学生指揮者が練習を指導しています。指揮者たちも、自分たちなりに「どうしたらより良い合奏ができるか」を考えてくれているので、奏者である私たちもそれに応える形で練習しています。

みんなで集まってやる練習はほとんどが合奏ですが、練習外ではパートごとに集まったり、初心者は同じ楽器の人にマンツーマンで教えてもらっていたりと、パートの中で雰囲気も技術も向上させるために努めています。弦楽器は特に意識して取り組んでいますね。管楽器は中高でやっていた人も多いので、どんな表現をしたいか、そのためにはどう演奏すればよいかを考えるなど、普段から一歩踏み込んだ練習をしています。

——練習のペースはどのくらいでやられていますか?

柴田普段の授業期間は週に2回で、夏休みや演奏会直前は週3回です。

——合宿もあるんですよね。

柴田春と夏の2回あります。どちらも6泊7日の期間です。長いので、いろんな先生を招いて指導していただいています。合宿最終日や前日には指揮者の先生に指導していただいて、合宿の終わりを感じます。楽器と長時間向き合える貴重な合宿を有意義なものとするために、毎日必死で練習しています。

——では、前回のスプリングコンサートについてお伺いします。ベートーベンの交響曲第7番を演奏したそうですね。

柴田ベト7以外の2曲も含めて全体的に華やかで、春にぴったりの曲目だったなぁと演奏して感じました。

——次回の定期演奏会ではドヴォルザークの交響曲第6番を演奏するんですね。珍しいと思うんですが、この曲に決まったのはどういう経緯だったんですか?

東京都立大学管弦楽団 第63回定期演奏会

日時:2024年11月17日(日) 昼公演予定

場所:パルテノン多摩 大ホール(東京都)

コンサート詳細 : http://2019hp.starfree.jp/concert.html

曲目

ドヴォルザーク/交響曲第6番 ニ長調 作品60 ほか

柴田今の部員にはトロンボーン奏者がほとんどいないんですが、チューバ奏者はいるんです。今いるパートでできる曲は必然的に絞られるので、その中から決めるようにしています。

ドヴォルザークの第6番は各楽章ごとに他の交響曲を参考にしている、と学生指揮者が言っていて。第4楽章はブラームスの交響曲第2番を参考にしていると言われています。ブラームス第2番は昨年の春に演奏した経験があるので、前回の演奏経験をふまえて演奏できるのではないか、と思っています。

一番の見どころはN響でご活躍されているヴィオラ奏者、中村翔太郎先生が演奏してくださるところです。昨年の定期演奏会でも中村先生がシベリウスの交響曲第2番を弾いてくださって。先生がいらっしゃるとやはり演奏のクオリティが上がって、部員にとってもかなり大きな刺激になります。

——他に演奏会のアピールポイントはありますか?

柴田次回の演奏会は中村先生が弾いてくださることが一番のアピールポイントなんですが、私たち3年生が主体となって運営する最後の演奏会なので、私たちの学年にとってはある意味集大成になりますね。春の演奏会とは異なって渋くて秋らしい曲目になっています。

——-本番に出る「都立大らしさ」はどんな音になって表れるんでしょうか。

柴田本番近くになってOB・OGさんを含むフルメンバーがそろうので、音量や迫力が盛り上がりますね。若く勢いのある音が演奏に表れるんじゃないかと思います。エネルギーのある感じの演奏になるんじゃないかなと。あとは普段からたくさん練習しているので、初心者だから、というのを感じさせないような、学生オケなりに努力しているのが伝わる演奏になればいいなと思います。

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