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2025/02/20
バッハ「ゴルトベルク変奏曲」、モーツァルト「フィガロの結婚」、ベートーベン「月光」、シューベルト「セレナーデ」、チャイコフスキー「四季」、フォーレ「パヴァーヌ」、そしてシャルル・アズナブール「希望に満ちて」まで――。珠玉の名曲が彩る感動作『デュオ 1/2のピアニスト』が、いよいよ2月28日に日本公開を迎えます。 アカデミー賞受賞作『コーダ あいのうた』のフィリップ・ルスレがプロデュースを手がけ、困難に直面しながらも音楽への情熱を貫く姿を描いた本作は、各界から大きな注目を集めています。日本では、ミュージカルとクラシック音楽の双方で活躍する石丸幹二さんが、作品の魅力に共鳴し、オフィシャルサポーターを務めています。 実在する双子のピアニスト、プレネ姉妹の数奇な運命を描いた本作で主演を務めるのは、Netflixドラマ『エミリー、パリへ行く』で知られるカミーユ・ラザと、本作が長編映画初主演となるメラニー・ロベール。 今回、コンサートスクウェアでは2人への単独インタビューの機会を得て、ピアノ未経験から始まった2人の挑戦、クラシック音楽との向き合い方、そして実在の姉妹との出会いなど、音楽映画ならではの制作秘話や、本作品への思いを伺いました。
双子のピアニスト姉妹クレールとジャンヌ。幼い頃からピアノに打ち込んできた2人は名門カールスルーエ音楽院に入学し、クレールがソリストとして選ばれるなど、着実にその才能を開花させていた。しかしコンサートのオーディションに向けて厳しい練習に励む最中、2人は手の骨が折れやすくなる難病を発症。医師からは「ピアノを再び弾けるようになる確率は1%」と宣告される。 しかし姉妹は諦めることなく、お互いが奏でるピアノの音を補い合いながら2人で1曲を完成させるという、唯一無二の演奏方法を生み出した。関節をしなやかに柔らかく動かすことで手の骨を守りながら演奏する新しい奏法を編み出した2人は、不可能と思われた夢を現実のものとし、プロのピアニストとしての道を切り開いていった。 本作は、実在のプレネ姉妹をモデルに、挫折を乗り越え、音楽への情熱を貫いた双子のピアニストの感動の物語を描いている。困難に直面しながらも、互いを支え合い、新たな可能性を見出していく姿を、珠玉のクラシック音楽とともに映し出している。
——作品を拝見し、プレネ姉妹を演じるお二人は双子として似ている部分がありながらも、それぞれが独立した個性を持つ一人の人間として表現されていると感じました。 双子を演じるにあたり、それぞれのアイデンティティを際立たせるために、お二人で話し合ったことや意識した点を教えてください。
メラニーシナリオを読んだ時から、この二人の違いはとても明確に描かれていました。カミーユ演じるクレールの方が断定的で、より積極的にジャンヌをリードしていく存在。対して私が演じるジャンヌは、どちらかというと影のような存在で、クレールがどう行動するかを見守りながら、自分の行動を決めていくような性格でした。 実際にプレネ姉妹にお会いした時も、まさにその通りだったんです。私が演じたジャンヌのモデルとなったオードリーさんは、物静かで話す前にじっくり考えるタイプ。一方、クレールのモデルとなったダイアンさんはとてもお喋りで、積極的に会話をリードする方でした。それまでの役作りが間違っていなかったことを確信できた瞬間でしたね。
カミーユ興味深いのは、クレールが一見とても強く見える一方で、実は誰よりも不安を抱えている存在だということです。彼女は強く見える一方で、実はプレッシャーをすべて自分の中に抱え込んでしまいます。時にはその積み重ねが限界に達し、不安が爆発する瞬間もあります。 しかし、自分の感情をあまり出さずに溜め込むメラニーよりも、感情を素直に表に出せるジャンヌの方が、ある意味ではより健康的なのかもしれません。 また、衣装に関しても細かい工夫がありました。監督は全く同じ服装を好まず、同じ種類の服を着つつ色を変えるという方法で2人の個性を表現しました。また、メイクもわずかに違いを持たせました。例えば、クレールは口紅の色を少し濃くし、ジャンヌは頬に少しピンクのニュアンスを加えることで、無意識のうちに観客が違いを感じ取れるようにしていました。
——本作の最大の見どころであるクライマックスシーンでは、どのような感情を込めて演じられたのでしょうか? また、シーンを作り上げる中で印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
メラニーあのシーンは本当に重要でした。観客の皆さんが初めて、私たち双子がどんなピアノ技術を編み出したのかを目の当たりにする瞬間なんです。クレールを演じたカミーユとは、本当に多くの時間をかけてリハーサルを重ねました。 演奏法については、プレネ姉妹自身も試行錯誤の中で生み出した技術であり、通常のピアノ演奏とは全く異なるアプローチでした。私たち自身もピアノの基礎技術とは別に、手の骨を守りながら演奏する関節の使い方など、特別な指導を受けました。興味深かったのは、実際のピアノコーチもこの演奏法を見たことがなく、映画の中で描かれていたのと同じように、私たちと一緒に研究しながら作り上げました。
カミーユ30時間以上もリハーサルを重ねましたね。しかも撮影は深夜に及び、背中合わせでの演技という難しさもありました。でも、観客の方々に、この2人が難病を乗り越えてまで実現させたかったものを感じていただくために、私たちも本当に気合いを入れて演じました。 父親役のフランク・デュボスクさんも、とても誠実な演技で支えてくださり、双子で生きることの大変さと素晴らしさ、両方が描けたシーンになったと思います。
本作『デュオ 1/2のピアニスト』は、実在の双子のピアニスト、プレネ姉妹の挑戦と情熱を描いた感動作です。困難に直面しながらも、お互いを支え合い、音楽への情熱を決して諦めなかった2人の姿が、名曲の数々とともに鮮やかに映し出されています。 クライマックスの演奏シーンは、彼女たちの苦難と努力が結実し、観る者の心を震わせる圧巻の瞬間。まさに音楽の持つ力、そして人間が夢を諦めずに進み続けることの素晴らしさを体現したシーンといえるでしょう。 主演を務めたカミーユ・ラザとメラニー・ロベールは、役作りにおいて細部までこだわり抜き、双子でありながらも異なる個性を持つクレールとジャンヌの内面を繊細に表現。さらに、ピアノ未経験からの挑戦や、実際のプレネ姉妹との交流を通じて、彼女たちの歩んだ道のりを深く理解し、その想いをスクリーンに映し出しています。 実在の人物を演じることへの真摯な姿勢は、インタビューの端々からも感じられ、時には言葉を選びながら丁寧に答える様子に、プレネ姉妹への深い敬意が垣間見えました。 『デュオ 1/2のピアニスト』は、単なる音楽映画ではなく、困難に立ち向かう強さや、支え合うことの美しさを描いた感動作です。クラシック音楽のファンはもちろん、世代を超えて多くの人に勇気を与えてくれるはず。ぜひ劇場でこの感動を体験してみてください。 (インタビュー・構成/松永華佳)
■作品名: 『デュオ 1/2 のピアニスト』(原題:Prodigieuses/英題:Prodigies)
■公開日:2 月 28 日(金)新宿ピカデリー 他 全国ロードショー
■監督:フレデリック・ポティエ&ヴァランタン・ポティエ 『216mois』で 2014 SXSW 審査員大賞ノミネート(短編部門)
■脚本:フレデリック・ポティエ、ヴァランタン・ポティエ、サビーヌ・ダバディ
■製作:フィリップ・ルスレ『コーダ あいのうた』『エール!』『ふたりのマエストロ』
■撮影監督:ダニー・エルセン『人生は狂詩曲ラプソディ』
■音楽:ダン・レヴィ『VESPER/ヴェスパー』
■コンポーザー:ダン・レヴィ『失くした体』
■音響:マルク・ドワーヌ『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』
■出演:カミーユ・ラザ、メラニー・ロベール、フランク・デュボスク、イザベル・カレ、エリザ・ダウティほか
■提供:フラッグ/シンカ 配給:シンカ/フラッグ
■HP:https://www.flag-pictures.co.jp/duo-pianist/
■X:@duo_pianist0228(https://x.com/duo_pianist0228)
■Instagram:@duo_pianist0228(https://www.instagram.com/duo_pianist0228/) #映画デュオ #デュオ 2 分の 1 のピアニスト
■コピーライト:© 2024 / JERICO - ONE WORLD FILMS - STUDIOCANAL - FRANCE 3 CINEMA 2024 | フランス | 109 分 | カラー | ビスタ|DCP | 5.1ch | 字幕翻訳 星加久実 |G
■本予告映像:https://youtu.be/n4p0wS_WcCA
■ムビチケ情報
価格:¥1,600(税込)
<メイジャー(ムビチケカード)> https://www.major-j.com/cinema_information.php?id=M44366748176
<MOVIE WALKER STORE(ムビチケカード)> https://goods.moviewalker.jp/items/95885724/?ref=official
<ムビチケオンライン> https://mvtk.jp/Film/087738?from=official
中の人は、アマチュアオーケストラで打楽器をやっています